2005年 08月 16日
冬の追憶 No.18-2 |
「第3話 恋の讃歌」
横浜ベイサイドマリーナ」は、1998年9月に横浜の金沢区に誕生した日本最大級のアウトレットモール。また国内最大1489隻規模のマリーナとしての施設を持っている。
ここは19世紀アメリカ東海岸の古き良き港町『ニューイングランドのナンタケット島』をモチーフとして街並みが再現されました。
ファクトリーアウトレット建物は、淡いブルー・クリーム色・白などで統一され、異国情緒あふれる雰囲気で、とてもロマンチックです。各建物の屋根の上にはいろいろな形の風見が飾られ、見ているだけでも楽しいです。
また、アウトレットモール中央広場には、「鯨の尾っぽ」を形どった巨大噴水があります。鯨の噴水は、ナンタケット島の『捕鯨船とくじらの不思議な
物語』をコンセプトに作られました。
マリーナ沿いの散歩道(ボードウォーク)は、デートスポットにぴったり。たくさんのクルーザーやヨットを眺めながら散歩や食事や買い物も楽しめる複合型。アウトレットパークというよりも、テーマパークに近い印象です。
横浜ベイサイド・マリーナ情報
横浜ベイサイドマリーナホームページ
東京湾西岸に位置する立地を生かし、マリンレジャーも豊富でバラエティに富んでいる。近くには八景島のシーパラなどの施設もあり、土日ともなると若いカップルや家族連れで賑わう。
その日は冬としては風も穏やかで、そんなに寒く感じなかった。停泊しているヨットやボートを眺めながら、マリーナ沿いのボードウォークと呼ばれる散歩道(を歩く二人。
創 :「どう、初めてきた感想は?」
静香:「思っていたよりも広いんですね。びっくりしました。海も空も青くてきれいだし、
ヨットも建物もすてき!どこか外国に来たみたい。」
海沿いの歩道では、愛犬を連れて散歩する人。ジョギングする人。ベンチに腰掛けのんびりと日光浴をする人。カメラ片手に写真を撮る人。レストランのオープンテラス席で食事をする人など、それぞれが楽しそうだ。
創と静香も中央付近のベンチに座る。創、ピンクのリボンのかかった小さな箱を取り出しながら、
創 :「この間、冬の富士と観光地という取材で山梨県に行ってきたんだ。撮影が予定より
早く終わったので、一緒に行った先輩に『オルゴールの森』っていう美術館に連れて
ってもらったんだ。その時、これ買ってみたんだけど。開けてみて」
静香:「え、私にですか?」
創が静香にプレゼントしたオルゴールボール「ケルトルイドベル」(上から3段目の卵型)
静香、包みを開ける。
静香:「わーっ、クラシックで古典的なペンダント。すてき!」
ぱあーっと華が咲いたような静香の笑顔を見ながら、
創 :「気に入った?一緒に行った先輩に選んでもらったんだけど。ただのペンダントじゃ
ないんだ。手の上に載せて転がしてみて。」
静香、手の平にペンダントを載せて転がし、耳を近づけるながら
静香:「不思議な音!やさしい風の中でハープの弦が擦れ合うみたい。早朝、父と竹の
お寺で有名な報国寺に、行ったことがあるんだけど。笹が擦れ合う音にも似てる。」
創 :「それ、ハーモニーボールとかオルゴールボールとかって言うだ。オルゴールの原型
なんだそうだ。紀元前ヨーロッパのドルイドと呼ばれる古代ケルト民族の修業僧たち
が、自然と一体化し、深い瞑想を行うものとして作った「ドルイドベル」と呼ばれる
神秘的な鈴がルーツ何だって。」
創 :「ひとつひとつ手作りだから、音色も少しずつ違うんだって。試しに僕も携帯ストラップ
タイプのものを買ってみたんだ。こっちの音も聞いてみる?」
静香、創に近づき彼の手に耳を当てる。
静香:「あっ、本当。こっちの方が、ちょっと音が高い!でも澄んだ綺麗な音・・・。」
海風が静香の長い髪をそよがせ、創の頬へと運ぶ。それに気付いて静香が、髪を左手で
押さえる。一瞬、目が合う二人。お互いの瞳の中に映る自分を見つめている、
どぎまぎして、耳まで紅に染まる静香。内心「かわいい人だな」と微笑む創。ほんの一瞬の
出来事なのに、時間が止まったように長く感じた。
静香:「あのう~。私は芳野さんに何にもして上げられないのにー。なんでこんなにして
下さるんですか?」
創 :「僕が静香さんを、好きだから。君の喜ぶ笑顔を見ているだけで、僕の心も喜ぶから。
ずっと声を聞いていたい。いつも見つめていたい。と思うから。僕を感じて欲しいと
思うから」
創 :「僕は静香さんを気に入ったけど・・・静香さんは、僕のことを大学の先輩、友達
って思ってくれてもいいけれど。あのクジャクのオスって知ってる?あんなに綺麗
なのにせいいっぱい羽を広げて、メスの周りをうろうろ。あとカワセミもそう・・・
口一杯に何匹も小魚を加えてきて、メスに近づく姿。けなげだよな。僕もそんな感じ
かな。」
思わず静香が吹き出す。
創 :「え、なんで笑うの?」
静香:「クジャクの雄を、想像したの。顔を芳野さんに挿げ替えて見たら、おかしくって。」
創 :「それじゃ、僕はクジャクのメスの顔を静香さんに挿げ替えちゃおうっと。
何か変、おかしい。黒いカラスよりいいけど・・・」
静香:「えっ、カラスって?」
創 :「何でもないよ。僕の知り合いに、黒いカラスもいたな~って思い出したから。」
たわいもないことでふざける二人。
創 :「ご飯でも食べに行こうか?」席を立つ二人。
横浜ベイサイドマリーナ」は、1998年9月に横浜の金沢区に誕生した日本最大級のアウトレットモール。また国内最大1489隻規模のマリーナとしての施設を持っている。
ここは19世紀アメリカ東海岸の古き良き港町『ニューイングランドのナンタケット島』をモチーフとして街並みが再現されました。
ファクトリーアウトレット建物は、淡いブルー・クリーム色・白などで統一され、異国情緒あふれる雰囲気で、とてもロマンチックです。各建物の屋根の上にはいろいろな形の風見が飾られ、見ているだけでも楽しいです。
また、アウトレットモール中央広場には、「鯨の尾っぽ」を形どった巨大噴水があります。鯨の噴水は、ナンタケット島の『捕鯨船とくじらの不思議な
物語』をコンセプトに作られました。
マリーナ沿いの散歩道(ボードウォーク)は、デートスポットにぴったり。たくさんのクルーザーやヨットを眺めながら散歩や食事や買い物も楽しめる複合型。アウトレットパークというよりも、テーマパークに近い印象です。
横浜ベイサイド・マリーナ情報
横浜ベイサイドマリーナホームページ
東京湾西岸に位置する立地を生かし、マリンレジャーも豊富でバラエティに富んでいる。近くには八景島のシーパラなどの施設もあり、土日ともなると若いカップルや家族連れで賑わう。
その日は冬としては風も穏やかで、そんなに寒く感じなかった。停泊しているヨットやボートを眺めながら、マリーナ沿いのボードウォークと呼ばれる散歩道(を歩く二人。
創 :「どう、初めてきた感想は?」
静香:「思っていたよりも広いんですね。びっくりしました。海も空も青くてきれいだし、
ヨットも建物もすてき!どこか外国に来たみたい。」
創と静香も中央付近のベンチに座る。創、ピンクのリボンのかかった小さな箱を取り出しながら、
創 :「この間、冬の富士と観光地という取材で山梨県に行ってきたんだ。撮影が予定より
早く終わったので、一緒に行った先輩に『オルゴールの森』っていう美術館に連れて
ってもらったんだ。その時、これ買ってみたんだけど。開けてみて」
静香:「え、私にですか?」
創が静香にプレゼントしたオルゴールボール「ケルトルイドベル」(上から3段目の卵型)
静香、包みを開ける。
静香:「わーっ、クラシックで古典的なペンダント。すてき!」
ぱあーっと華が咲いたような静香の笑顔を見ながら、
創 :「気に入った?一緒に行った先輩に選んでもらったんだけど。ただのペンダントじゃ
ないんだ。手の上に載せて転がしてみて。」
静香、手の平にペンダントを載せて転がし、耳を近づけるながら
静香:「不思議な音!やさしい風の中でハープの弦が擦れ合うみたい。早朝、父と竹の
お寺で有名な報国寺に、行ったことがあるんだけど。笹が擦れ合う音にも似てる。」
創 :「それ、ハーモニーボールとかオルゴールボールとかって言うだ。オルゴールの原型
なんだそうだ。紀元前ヨーロッパのドルイドと呼ばれる古代ケルト民族の修業僧たち
が、自然と一体化し、深い瞑想を行うものとして作った「ドルイドベル」と呼ばれる
神秘的な鈴がルーツ何だって。」
タイプのものを買ってみたんだ。こっちの音も聞いてみる?」
静香、創に近づき彼の手に耳を当てる。
静香:「あっ、本当。こっちの方が、ちょっと音が高い!でも澄んだ綺麗な音・・・。」
海風が静香の長い髪をそよがせ、創の頬へと運ぶ。それに気付いて静香が、髪を左手で
押さえる。一瞬、目が合う二人。お互いの瞳の中に映る自分を見つめている、
どぎまぎして、耳まで紅に染まる静香。内心「かわいい人だな」と微笑む創。ほんの一瞬の
出来事なのに、時間が止まったように長く感じた。
静香:「あのう~。私は芳野さんに何にもして上げられないのにー。なんでこんなにして
下さるんですか?」
創 :「僕が静香さんを、好きだから。君の喜ぶ笑顔を見ているだけで、僕の心も喜ぶから。
ずっと声を聞いていたい。いつも見つめていたい。と思うから。僕を感じて欲しいと
思うから」
創 :「僕は静香さんを気に入ったけど・・・静香さんは、僕のことを大学の先輩、友達
って思ってくれてもいいけれど。あのクジャクのオスって知ってる?あんなに綺麗
なのにせいいっぱい羽を広げて、メスの周りをうろうろ。あとカワセミもそう・・・
口一杯に何匹も小魚を加えてきて、メスに近づく姿。けなげだよな。僕もそんな感じ
かな。」
思わず静香が吹き出す。
創 :「え、なんで笑うの?」
静香:「クジャクの雄を、想像したの。顔を芳野さんに挿げ替えて見たら、おかしくって。」
創 :「それじゃ、僕はクジャクのメスの顔を静香さんに挿げ替えちゃおうっと。
何か変、おかしい。黒いカラスよりいいけど・・・」
静香:「えっ、カラスって?」
創 :「何でもないよ。僕の知り合いに、黒いカラスもいたな~って思い出したから。」
たわいもないことでふざける二人。
創 :「ご飯でも食べに行こうか?」席を立つ二人。
by jsby
| 2005-08-16 23:15
| 追憶 冬物語