2007年 02月 09日
冬の追憶No.24-4 |
「第7話 若しも・・・」
創と別れた静香はJR東海道線で東京駅から戸塚、そしてJR湘南新宿ラインに乗り換えて
戸塚から鎌倉へというルートで帰途へとついた。「そのルートだと、1時間以内で鎌倉まで帰
れる筈だから」と創がアドバイスしてくれたからだった。夕方のラッシュアワーと重なったことも
あって、とても混雑していた。
その車内で、静香は先輩アルバイト生の宮本美咲から譲り受けた何冊ものノートに目を通していた。それには、彼女がこの4年の間、鑑賞してきた映画に関する情報や感想また自己分析結果などがびっしりと書かれていた。
美咲がそれら年季の入ったノートを静香に渡しながら、
美咲:「遠山さんは、N大芸術学部の映画映像学科に進まれるんですってね。将来、こんな
道に進みたいって希望ある?私はね、映画のライターみたいな仕事をやりたいって、
ずっと思っていたの。だけど、こういう業界は募集も少ないし、就職することさえ、とっ
ても難しいのよ」
美咲:「でも、幸運なことに従兄弟が中島先輩と知り合いだったので、アルバイト生として
もぐりこむことができたの。だから、私も遠山さんと同じように縁故アルバイト。その
おかげで、希望どおりの会社に就職することができたわ。遠山さんも、インターシップ
生のつもりで、ここでの経験を活かすといいわ」
美咲:「これはね、私がここで働いている間に観た映画についてまとめた思い出ノートなの。
よかったら、差し上げるけど・・・」
静香:「えっ、そんなに大切なノートを私なんかがいただいていいんですか?」
美咲:「ええ、このノートに書かれていることはすべてコピーを取ってあるから私はそれで
いいわ。本当はどうしようかと思ったけど、ノートの方がここで過ごした思い出や映画
に対する私の情熱が伝わるかなと思って」
静香:「先輩、ありがとうございます。まだ、具体的にこういう方向に進みたいってことは決め
てないのですけれど・・・。でも、いずれ映画に関する仕事に就きたいとは思っているん
です。このノート、大切にさせていただきます。本当にありがとうございました」
自分はなんて幸せなのだろうと思った。創の配慮で、アルバイトの仕事に就くことができたばかりでなく、様々な魅力ある人々の恩恵を受けながら勉強できる環境に感謝したい気持ちで一杯だった。
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創と別れた静香はJR東海道線で東京駅から戸塚、そしてJR湘南新宿ラインに乗り換えて
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ても難しいのよ」
美咲:「でも、幸運なことに従兄弟が中島先輩と知り合いだったので、アルバイト生として
もぐりこむことができたの。だから、私も遠山さんと同じように縁故アルバイト。その
おかげで、希望どおりの会社に就職することができたわ。遠山さんも、インターシップ
生のつもりで、ここでの経験を活かすといいわ」
よかったら、差し上げるけど・・・」
静香:「えっ、そんなに大切なノートを私なんかがいただいていいんですか?」
美咲:「ええ、このノートに書かれていることはすべてコピーを取ってあるから私はそれで
いいわ。本当はどうしようかと思ったけど、ノートの方がここで過ごした思い出や映画
に対する私の情熱が伝わるかなと思って」
静香:「先輩、ありがとうございます。まだ、具体的にこういう方向に進みたいってことは決め
てないのですけれど・・・。でも、いずれ映画に関する仕事に就きたいとは思っているん
です。このノート、大切にさせていただきます。本当にありがとうございました」
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by jsby
| 2007-02-09 17:31
| 追憶 冬物語