2006年 04月 05日
冬の追憶No.22-37 |
今回の投稿は「冬の追憶No.22-36~37」の2稿に渡っています。振り返ってご覧ください。
「第5話 迷路」
狩野:「静香ちゃん、こんばんは。さっきから何回も来てみてたのだけど。お母さん宛に荷物
が届いていていたので、預かっておいたわよ。そう言えば、今日は卒業式だったの
よね。どうりで留守だと思っていたわ」
静香:「ありがとうございます。母宛の宅急便、受け取っておいてくださって助かりました。
私、すっかり忘れていました」
狩野はそれだけ渡すと、夕食の支度があるからと言って帰っていった。母宛の荷物は何か
四角い箱のようなもので、そんなに重くはなかった。茶色の厚紙で包まれた包装紙の送り主
は「ギャラリーUP・S 芳野美千代」となっていた。
静香はラベルに記載されている送り主の名前を見て驚いた。偶然なのだろうか「芳野創」と
同じ芳野姓。奇妙な偶然に心臓の鼓動が高鳴るのがわかった。心なしか静香が身に付けて
いるオルゴールボールが揺れ「シャララン、シャララン」という音色をたてた。
静香の大学入試をきっかけに、何もなかったところに破線が引かれ、それが実線となろうとしている。放射線上の先にある何か目に見えない力が若いふたりに向けられている。それがまたどんな偶然と必然を呼び寄せるのか誰にもわからない。
それからひと時おいて、今度は千晶の母の博美が雨漏り氏をともなって夕食を届けに来てくれた。遠山邸は故川喜多長政、かしこ夫妻の旧宅がある窟小路(いわやこうじ)とは反対側の目立たない細い路地を入ったところにあった。まさに灯台下暗しとはこのことだった。玄関ドアには母の響子が製作した春らしい華やかな大き目のドアリースが掛けられていた。
インターフォン越しに聞こえてきた静香らしい澄んだ声に、妙な緊張感を感じる雨漏り氏
だった。
※3月下旬から4月中旬まで、鎌倉駅に近い二の鳥居付近から三の鳥居そして八幡宮
入り口まで約500mほど続く段葛の約300本にも及ぶ桜がいっせいに咲き、見事な
桜のトンネルができます。その華やかさは壮観です。
2006年4月7日午後6時「段葛」にて撮影
段葛のことについては、「鎌倉の地質」・「鎌倉幕府の成立」・「鎌倉の史跡」・「城郭都市
としての鎌倉」・「鎌倉の観光スポット」に至るまで、鎌倉在住の「おおばやし」さんとおっ
しゃる方が「鎌倉からこんにちは」というページを通して、ご紹介してくださっています。
ご興味のある方は、是非ご覧になってみてください。
「鎌倉からこんにちは」
「鎌倉を歩いてみませんか」
また4月9日から4月16日までの間「鎌倉まつり」も行われ、パレード・流鏑馬(やぶさめ)
・野点(のだて)・静(しずか)御前の舞いなどの行事を観覧することができます。
この時期、鎌倉にお出かけになる方にとっては、お楽しみいただけることと思います。
詳しくは「信州田舎式手打ち
そばで有名な「なかむら庵」のホームページで紹介されていますので、ご覧になってみて
ください。
「なかむら庵」は私が鎌倉に
出かけた時に、時々立ち寄るお蕎麦屋さんです。目立たない場所にある小さなお店ですが、本格的な信州蕎麦を食べさせてくれる評判のお店です。
量は普通のお蕎麦屋さんよりも少な目なので、大ざるを頼まれた方がいいと思います。
「鎌倉まつり」
信州田舎式手打ちそば「なかむら庵」
この物語を幅広く皆様にお読みいだだけたらと思い、下記の「ブログランキング」
サイトに登録してみました。何か心に感じることがありましたら、クリックして
いただけますと嬉しく思います。またご意見・ご感想などを、ご気軽にコメント
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「第5話 迷路」
狩野:「静香ちゃん、こんばんは。さっきから何回も来てみてたのだけど。お母さん宛に荷物
が届いていていたので、預かっておいたわよ。そう言えば、今日は卒業式だったの
よね。どうりで留守だと思っていたわ」
静香:「ありがとうございます。母宛の宅急便、受け取っておいてくださって助かりました。
私、すっかり忘れていました」
狩野はそれだけ渡すと、夕食の支度があるからと言って帰っていった。母宛の荷物は何か
四角い箱のようなもので、そんなに重くはなかった。茶色の厚紙で包まれた包装紙の送り主
は「ギャラリーUP・S 芳野美千代」となっていた。
静香はラベルに記載されている送り主の名前を見て驚いた。偶然なのだろうか「芳野創」と
同じ芳野姓。奇妙な偶然に心臓の鼓動が高鳴るのがわかった。心なしか静香が身に付けて
いるオルゴールボールが揺れ「シャララン、シャララン」という音色をたてた。
それからひと時おいて、今度は千晶の母の博美が雨漏り氏をともなって夕食を届けに来てくれた。遠山邸は故川喜多長政、かしこ夫妻の旧宅がある窟小路(いわやこうじ)とは反対側の目立たない細い路地を入ったところにあった。まさに灯台下暗しとはこのことだった。玄関ドアには母の響子が製作した春らしい華やかな大き目のドアリースが掛けられていた。
だった。
※3月下旬から4月中旬まで、鎌倉駅に近い二の鳥居付近から三の鳥居そして八幡宮
入り口まで約500mほど続く段葛の約300本にも及ぶ桜がいっせいに咲き、見事な
桜のトンネルができます。その華やかさは壮観です。
段葛のことについては、「鎌倉の地質」・「鎌倉幕府の成立」・「鎌倉の史跡」・「城郭都市
としての鎌倉」・「鎌倉の観光スポット」に至るまで、鎌倉在住の「おおばやし」さんとおっ
しゃる方が「鎌倉からこんにちは」というページを通して、ご紹介してくださっています。
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「鎌倉からこんにちは」
「鎌倉を歩いてみませんか」
また4月9日から4月16日までの間「鎌倉まつり」も行われ、パレード・流鏑馬(やぶさめ)
・野点(のだて)・静(しずか)御前の舞いなどの行事を観覧することができます。
この時期、鎌倉にお出かけになる方にとっては、お楽しみいただけることと思います。
詳しくは「信州田舎式手打ち
そばで有名な「なかむら庵」のホームページで紹介されていますので、ご覧になってみて
ください。
「なかむら庵」は私が鎌倉に
出かけた時に、時々立ち寄るお蕎麦屋さんです。目立たない場所にある小さなお店ですが、本格的な信州蕎麦を食べさせてくれる評判のお店です。
量は普通のお蕎麦屋さんよりも少な目なので、大ざるを頼まれた方がいいと思います。
「鎌倉まつり」
信州田舎式手打ちそば「なかむら庵」
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by jsby
| 2006-04-05 21:59
| 追憶 冬物語