2007年 06月 23日
冬の追憶No.24-24 |
「第7話 若しも・・・」
先日もお知らせ致しましたが、下書したファイルを6頁分も破壊されてしましまいました。
今回、更新した部分はその最後の2頁分です。ご覧になっていただいている皆様には、
ご心配をお掛けし本当に申し訳なく思っています。
今回の投稿は「冬の追憶No.24-23~24」の2稿に渡っています。振り返って、ご覧くだ
さい。
ふたりは中央通りを京橋方面に向かってそぞろ歩き、アップルストア、シャネル、ブルガリ、
ルイ・ヴィトン、ティファーニーなどのブランドショップが軒を連ねる銀座3丁目まで来た。
その中でも最も華やかで人目を引いたのは、シャネルのショーウィンドウだった。シルクのようにしなやかな春の陽射しの中で、眩しいほどの美女マネキンが最先端のファッションを身にまとう姿は、まるでファッションショーの一コマを見ているようだ。ケイデンとジミーはその垢抜けたディスプレイの前まで行き、食い入るように見とれていた。
2006年1月 銀座シャネルのショーウインドウを撮影
その時、背後から女性の声がした。振り返ると、モデルを思わせるようなエキゾチックな顔立ちの若い女性が立っていた。そして、ジミーの持っているカメラを指差しながら、
女性 :「あの~、よかったら、そのカメラでお二人の写真をお撮りしましょうか?」
彼らは顔を見合わせながら、驚きの表情を隠せないでいた。話し掛けられたのが、はっとするほどの美しい女性だったからだ。女性に弱いジミーなどは声が上ずってさえいる。
ジミー :「えっ!どうして?本当に?いいんですか?」
彼は嬉しそうに、自分の持っているカメラをその女性に手渡しながら、操作説明をした。写真を撮り終わると、ジミーがこの時がチャンスをとばかり、
ジミー :「いやあ~、ありがとうございました。でも何故、貴女のような美しい人が僕らの
写真を?立場が逆でしょう。貴女のような人こそ、被写体にぴったりなのに。
今度は僕が貴女をお撮しましょう。ひょっとしてモデルさん?」
女性 :「いえ、私はモデルでも何でもないわ。それに写真を撮られるのが好きでないの。
それより貴方の隣にいる背の高い方、何とおっしゃるの?」
2006年1月 銀座シャネルのショーウインドウを撮影
女性の質問に、ジミーはやっぱりなあ~という表情をしながら、肩をすくめてみた。
ジミー :「僕はジミー。そして彼はケイデン。昨日、アメリカから来たばかりです。でも、
明日の夜には帰国する予定です。写真を撮っていただいたお礼に、何処かで
お茶でも」
女性 :「いぇ、そんなつもりで話し掛けたんじゃないの。突然、声を掛けたら怪しい人と
勘違いされると思ったので、カメラはその口実に過ぎないの」
ケイデン:「あの~、僕に何か用事ですか?それとも、何処かでお会いしたことがあり
ますか?」
女性 :「いぇ、ないわ。私、貴方にお話したいことがあるの。貴方が向こう側から歩いて
来た時、そこだけスポットライトが当たったような強いオーラを感じたの。そして、
貴方の中に見えたものがあって、お話してあげたい衝動にかられただけなの」
2006年1月 銀座シャネルのショーウインドウを撮影
ケイデン:「僕の中に見えたものって?」
女性 :「貴方の中に星が3つ見えるわ。でも、そのひとつはすでに死んだ星。もうひとつは
貴方自身。3つ目の星は貴方とそっくりな形をしているわ。貴方達は近い将来、思わぬ形で
めぐり会うことになると思うわ。そして、その
3つの中心に美しい女神が見えるの。貴方達の出会いにその女神が重要な役目を果たすはずよ」
ケイデン:「僕とそっくりな形をしている星に出会うって・・・。この日本で?」
女性 :「星がアメリカの方角に移動する様子が見えるわ。だから、アメリカだと思うけど。
だけど、その前にとても大きな事件が起こるような気がする。じゃ、幸運を祈るわ」
そう言い終えると、その女性は彼らに手を振りながら、さっそうと人波の中に吸い込まれるよ
うにして消えていってしまった。その場に残された二人は狐にでもつままれたように、謎の女性が残していった不思議な話にどんな意味があるのか見当もつかず、呆然と立ちつくしていた。
ジミー :「さっきの鳩居堂の知らないおばさんといい、謎の美女といい、今日は本当に変な
日だな」
あまりにも唐突な出来事に、まるで訳がわからないという表情で、ジミーがぼそっと呟いた。
サイトに登録してみました。何か心に感じることがありましたら、クリックして
いただけますと嬉しく思います。またご意見・ご感想などを、ご気軽にコメント
していただけますと、励みにもなります。どうぞよろしくお願い致します。
「人気blogランキング 詩、小説部門」
先日もお知らせ致しましたが、下書したファイルを6頁分も破壊されてしましまいました。
今回、更新した部分はその最後の2頁分です。ご覧になっていただいている皆様には、
ご心配をお掛けし本当に申し訳なく思っています。
今回の投稿は「冬の追憶No.24-23~24」の2稿に渡っています。振り返って、ご覧くだ
さい。
ふたりは中央通りを京橋方面に向かってそぞろ歩き、アップルストア、シャネル、ブルガリ、
ルイ・ヴィトン、ティファーニーなどのブランドショップが軒を連ねる銀座3丁目まで来た。
その中でも最も華やかで人目を引いたのは、シャネルのショーウィンドウだった。シルクのようにしなやかな春の陽射しの中で、眩しいほどの美女マネキンが最先端のファッションを身にまとう姿は、まるでファッションショーの一コマを見ているようだ。ケイデンとジミーはその垢抜けたディスプレイの前まで行き、食い入るように見とれていた。
その時、背後から女性の声がした。振り返ると、モデルを思わせるようなエキゾチックな顔立ちの若い女性が立っていた。そして、ジミーの持っているカメラを指差しながら、
女性 :「あの~、よかったら、そのカメラでお二人の写真をお撮りしましょうか?」
彼らは顔を見合わせながら、驚きの表情を隠せないでいた。話し掛けられたのが、はっとするほどの美しい女性だったからだ。女性に弱いジミーなどは声が上ずってさえいる。
ジミー :「えっ!どうして?本当に?いいんですか?」
彼は嬉しそうに、自分の持っているカメラをその女性に手渡しながら、操作説明をした。写真を撮り終わると、ジミーがこの時がチャンスをとばかり、
ジミー :「いやあ~、ありがとうございました。でも何故、貴女のような美しい人が僕らの
写真を?立場が逆でしょう。貴女のような人こそ、被写体にぴったりなのに。
今度は僕が貴女をお撮しましょう。ひょっとしてモデルさん?」
女性 :「いえ、私はモデルでも何でもないわ。それに写真を撮られるのが好きでないの。
それより貴方の隣にいる背の高い方、何とおっしゃるの?」
女性の質問に、ジミーはやっぱりなあ~という表情をしながら、肩をすくめてみた。
ジミー :「僕はジミー。そして彼はケイデン。昨日、アメリカから来たばかりです。でも、
明日の夜には帰国する予定です。写真を撮っていただいたお礼に、何処かで
お茶でも」
女性 :「いぇ、そんなつもりで話し掛けたんじゃないの。突然、声を掛けたら怪しい人と
勘違いされると思ったので、カメラはその口実に過ぎないの」
ケイデン:「あの~、僕に何か用事ですか?それとも、何処かでお会いしたことがあり
ますか?」
女性 :「いぇ、ないわ。私、貴方にお話したいことがあるの。貴方が向こう側から歩いて
来た時、そこだけスポットライトが当たったような強いオーラを感じたの。そして、
貴方の中に見えたものがあって、お話してあげたい衝動にかられただけなの」
ケイデン:「僕の中に見えたものって?」
女性 :「貴方の中に星が3つ見えるわ。でも、そのひとつはすでに死んだ星。もうひとつは
貴方自身。3つ目の星は貴方とそっくりな形をしているわ。貴方達は近い将来、思わぬ形で
めぐり会うことになると思うわ。そして、その
3つの中心に美しい女神が見えるの。貴方達の出会いにその女神が重要な役目を果たすはずよ」
ケイデン:「僕とそっくりな形をしている星に出会うって・・・。この日本で?」
女性 :「星がアメリカの方角に移動する様子が見えるわ。だから、アメリカだと思うけど。
だけど、その前にとても大きな事件が起こるような気がする。じゃ、幸運を祈るわ」
そう言い終えると、その女性は彼らに手を振りながら、さっそうと人波の中に吸い込まれるよ
うにして消えていってしまった。その場に残された二人は狐にでもつままれたように、謎の女性が残していった不思議な話にどんな意味があるのか見当もつかず、呆然と立ちつくしていた。
ジミー :「さっきの鳩居堂の知らないおばさんといい、謎の美女といい、今日は本当に変な
日だな」
あまりにも唐突な出来事に、まるで訳がわからないという表情で、ジミーがぼそっと呟いた。
サイトに登録してみました。何か心に感じることがありましたら、クリックして
いただけますと嬉しく思います。またご意見・ご感想などを、ご気軽にコメント
していただけますと、励みにもなります。どうぞよろしくお願い致します。
「人気blogランキング 詩、小説部門」
by jsby
| 2007-06-23 19:25
| 追憶 冬物語